港区防災ミーティングレポート

港区防災ミーティング「自分防災取説」を完成させて未来を守る

【イベント概要】

  • 日時:2026年3月26日(木)18:00~20:30

    会場:赤坂インターシティコンファレンス 301号室
  • テーマ:100万人が孤立する72時間。生存設計図(サバイバルカルテ)の作成

  • 主催:赤坂福吉町会、赤坂東一・二丁目町会、赤坂溜池町会

  • 協力:NPO法人ハッピーライド、(株)これから、(株)FIRSTESSENCE、マミィスタイル(株)


1. オープニング:なぜ今、この活動が必要なのか

イベントは「避難することをあきらめている人たちがいる」という衝撃的な事実の提示から始まりました

  • 現状の課題:障害を持つ人、歩行が困難な高齢者、大家族などが「自分にはできないことがあるから」「誰かに頼ることが申し訳ない」という理由で避難を諦めてしまう

     

     

  • 孤立の連鎖:その結果、避難所を離れ、結果として社会から孤立してしまう現実があります

     

     

  • 解決の糸口:15年間の聞き取り調査の結果、「正確な情報提供」と「周囲への周知(あきらめている人がいることを知る)」で解決できる可能性があることが分かりました

     

     


2. 第1部:当事者の声「私の家族の話、そして自分の未来の話」

NPO法人ハッピーライド副理事長の篠原淑恵氏より、自身の家族を通じた切実な現状が語られました

篠原家の現実と避難のハードル

「これは“誰かの話”ではなく、“自分の未来の話”です。」

篠原さんの家族には、重度の障害を持つ妹さんと、高齢で身体障害1級の母親がいます 。避難所へ行くにあたって、以下のような具体的な「壁」があることが明かされました。

 

  • 環境適応の難しさ:環境に馴染めず奇声を上げたり、暴れたりしてしまう。薬がないと1週間眠れないこともある

     

     

  • 物理的・身体的制約:刻み食でないと食べられない、簡易トイレに座れない、介助スペースが必要、ペットボトルから直接水が飲めない、膝が曲がらないため床に直接寝られない

     

     

  • 周囲への遠慮:ストレス過多な避難所で「必ず迷惑をかける」という申し訳なさが避難を躊躇させる

     

     

解決策として示されたこと「お互い様だからいいよ」と言い合える関係性を
平時から地域で築いておくことが不可欠である

 

3. ワークショップ:自分の限界を知る「サバイバルカルテ」

イベントの核となるのが、自分の生存確率を見える化する「サバイバルカルテ」の作成です

サバイバルカルテ 10のチェック項目

参加者は以下の項目を記入し、現在の「備え」の不足を確認しました。

項目 内容の例
① 食料・水 備蓄は何日分あるか、水は何リットル確保しているか
② 健康状態(医療) 生命に関わる常用薬の有無、持病の有無
③ 電源(停電対策) 充電器や電池、カセットコンロなどの確保
④ 情報(判断力) スマホが使えない時の情報源は何か
⑤ 生活継続(トイレ) 処理袋や凝固剤の回数分の備蓄があるか
⑥ 家の安全 家具の固定、ブレーカー遮断の認識
⑦ 支援(孤立対策) 助けてと遠慮なく言える友人・知人の有無
⑧ 行政支援 避難行動要支援者登録をしているか
⑨ 移動(避難能力) 5kgの荷物を持って5階相当の階段を上れるか
⑩ その他・特性 障害・要支援・要介護の状況、対人抵抗感

4. パネルディスカッション:共助をどう成立させるか

第1部と第2部、それぞれ異なる視点からパネルディスカッションが行われました

第1部:自助の限界を知る

  • テーマ:在宅避難を続けるために本当に必要なものとは?

     

  • 気づき:備えが必要だと頭ではわかっていても、実際に準備することが難しい項目の再認識

     

第2部:生存確率を上げる「要支援者の心得」

  • 登壇者:全盲の防災士・井上直也氏、福祉施設運営・助川覚氏、港区職員

  • 注目トピック

    視覚情報の欠如:情報の入りにくい視覚障害者に対し、周囲がどう声をかければ「共助」が成立するか

     

    地域連携:大分佐賀関での火事の事例などを通じ「地域の声掛けと関係性が全てを救う」事が強調された

     

5. 行政の取り組みとリラックスの提案

  • 港区の取り組み:赤坂地区総合支所の担当者より、避難行動要支援者対策などの最新施策が紹介されました

  • ストレス緩和の紹介:避難生活における精神的ケアとして、アロマや珈琲によるリラックス法も提案されました

     

     

結び:未来は変えられる

「避難を諦めない」ためには、当事者が自分の限界を知り、周囲にそれを伝え、地域全体で「お互い様」と言い合える関係を築くことが第一歩です 。会場は、多くの参加者が自分のカルテを見つめ直し、真剣に議論を交わす熱気に包まれていました。

 

 

次はあなたの番です。 まずはご自身で「サバイバルカルテ」の内容を確認し、自分の「生存確率」を考えることから始めてみませんか?

 

 


次は、あなたのご地域で備蓄状況に合わせて「サバイバルカルテ」の各項目を具体的にどう埋めていけばよいか、一緒に整理してみませんか?




港区防災ミーティング 感謝のメッセージ

1. 主催・協力団体の皆様へ

地域住民の安全を第一に考え、この学びの場を企画・運営してくださった町会および協力団体の皆様に深く感謝いたします。

  • 主催町会:

    • 赤坂福吉町会

    • 赤坂東一・二丁目町会

    • 赤坂溜池町会

  • 協力団体の皆様:

    • 株式会社これから 様、株式会社FIRSTESSENCE 様、マミィスタイル株式会社

「100万人が孤立する」という厳しい予測に対し、地域が一体となって立ち向かう姿勢に勇気をいただきました。

2. 登壇者の皆様へ

それぞれの専門的な知見や、胸に迫る貴重な体験談を共有してくださった皆様、本当にありがとうございました。

  • 平間 由紀子 氏(マミィスタイル株式会社 代表取締役)

     

     

    • 被災経験に基づいた「まずは自分を守るためにやるべき事」という、地に足のついた防災の重要性を教えていただきました 特に新聞紙の必要性は沢山の共感を得ました

       

       

  • 篠原 淑恵 氏(NPO法人ハッピーライド 副理事長)

     

     

    • ご家族のリアルな状況を通じ、避難をあきらめざるを得ない人々の「声」を届けてくださいました 。その勇気ある発信が、参加者の「自分ごと」としての意識を変えました

       
  • 深澤 友紀 氏(株式会社朝日新聞出版 AERA編集長)

     

     

    • 社会福祉士、そしてボランティアとしての多角的な視点から、サバイバルカルテを通じた避難のアイデアを提示してくださいました

       

  • 助川 覚 氏(株式会社これから 代表)

     

     

    • 福祉施設運営の立場から、高齢者防災や「施設側から見た共助」という、地域連携に不可欠なケーススタディを共有いただきました 障がい者施設から地域を巻きこむという発想が素敵でした

       

       

  • 井上 直也 氏(MDSiサポート 代表)

     

     

    • 全盲の防災士として、視覚情報がない中での避難の困難さと、それを支える「声かけ」という共助の本質を伝えてくださいました

       

       

  •  

    倉持 尚弘 氏 & 大久保 信博 氏(港区 赤坂地区総合支所)

     

     

    • 行政の具体的な取り組みや、避難行動要支援者対策について分かりやすく解説し、地域の安心を支えてくださいました

       

       


誰かの話ではなく、私たちの「未来の話」として防災を捉えるきっかけをありがとうございました。皆様から繋いでいただいた「共助」のバトンを、大切に育てていきたいと思います。

 

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