【考察】災害時の要支援者に必要なスキル

災害時、避難所という過酷な環境下で命を守り抜くために、障がい者とその家族は何を準備すべきでしょうか?

これまでの防災は「支援者がどう助けるか」という、いわば授受の視点に偏りがちでした。しかし、本当に持続可能な共生社会の防災とは、要支援者が自らの状況をコントロールする「マネジメント能力」を持つこと でもあります。

今回は、支援を受ける側・する側の双方が「共倒れ」せず、対等なパートナーとして生き抜くための
「新時代の防災スキル」について考察します。


1. 「かわいそう支援」から「共感支援」へのパラダイムシフト

避難所生活において、要支援者はしばしば「守られるべき弱者」としてのみ扱われます。これをハッピーライドでは
「かわいそう支援」と呼んでいます。しかし、この関係性は支援者に過度な負担を強いい、受援者(支援を受ける側)には申し訳なさという心理的負い目を与えてしまいます。

目指すべきは、「共感支援(対等なパートナーシップ)」への転換です。

要支援者が「何をしてほしいか」を明確にマネジメントすることで、
支援する側も、される側も支援者は「何をすればいいか」という迷いから解放されます。
この相互理解こそが、混乱する避難所での「共倒れ」を防ぐ唯一の鍵となります。


2. 要支援者が身につけるべき「5つの自立スキル」

要支援者が持つべきスキルは、単に「一人で頑張ること」ではありません。
そこでAIと壁打ちしながら持つべきスキルについて考えてみました。
※あくまでも個人的な見解なので、まだまだ検証していきます。

 

① プロフェッショナルな「頼る」力(受援力)

ただ依存するのではなく、お互いのために「プロとして頼る」という姿勢です。

  • 具体性: 「トイレの場所を教えて」「この段差だけ支えて」と、短く具体的な言葉で依頼します。

  • 効果: 相手の心理的ハードルを下げ、結果として支援してくれる人の数を増やすことができます。

② デジタル・セーフティネット構築力

人がいない、あるいは頼りにくい状況を「テクノロジー」で突破するスキルです。

  • 活用例: 音声読み上げソフト、AI画像解析、SNSによる情報収集。

  • 効果: 「人とAI」の両輪で情報にアクセスすることで、孤立を物理的に回避します。

③ 自己プレゼン力

支援者が迷う時間をゼロにし、「支援の精度」を劇的に高める力です。

  • 内容: 自分の障がい特性や必要な配慮を、15秒程度で誰にでもわかるように伝える準備をしておきます(いわば自分の「取扱説明書」の提示)。

  • 効果: 支援の素人である周囲の人々が、的確に動けるようになります。

④ マイライフライン装備力

物理的な安心を自分で担保するための「装備」と「習慣」です。

  • 内容: 予備の薬、白杖、ヘルプカードなどを常に手の届く範囲にまとめておく。

  • 効果: 道具が揃っているという事実が、避難生活における精神的な余裕を生みます。

⑤ メンタル・スイッチ力

「いつもの場所・方法」に固執せず、現状に合わせて考えを切り替える柔軟性です。

  • 内容: 不慣れな環境でもパニックを抑え、次のアクションを考える力。

  • 効果: 災害関連死の大きな要因である「環境変化によるストレス」を軽減し、命を守ります。


3. 支援者のスキルとどう「整合」させるか

支援者側にも求められる必須スキルがありますが、
これらは受援者側のスキルと組み合わさることで初めて真価を発揮します。

支援者の必須スキル(画像1) 要支援者のアクションとの連動
特性翻訳スキル 自己プレゼン力があれば、支援者はより正確にアセスメントできます。
環境カスタマイズスキル マイライフライン装備があれば、即席のバリアフリー構築がスムーズになります。
情報ブリッジスキル デジタル活用力があれば、情報の再配信と補完が容易になります。
受援コーディネートスキル プロの「頼る」力が、周囲の善意をリソース化する助けになります。
リスク予見・代替案策定 メンタル・スイッチ力があれば、プランBへの移行が迅速に行えます。

4. この5つのスキルがもたらす「3つの変革」

これらのスキルを磨くことは、単なる災害対策に留まりません。私たちの人生そのものを豊かにする変革をもたらします。

① 【マインドの変革】自立の定義が変わる

「一人でできなければ自立ではない」という呪縛から解放されます。使えるものは人でもツールでも何でも使う。それは「甘え」ではなく、生き残るための高度な**「マネジメント能力」**であると確信できるようになります。

② 【資産の変革】積み上がるものが変わる

若さや体力は時間とともに失われますが、**「伝え方」や「デジタルの技術」は練習すれば今日より明日の方が上手くなります。**老いや衰えを過度に恐れる必要がなくなるのです。

③ 【関係性の変革】社会との繋がりが変わる

「すみません」と謝り続ける一方的な負い目から、「ありがとう、助かりました」と言い合えるパートナーシップへ。的確な指示を出す受援者は、実は支援者を助けているのです。お互いに「あなたがいて良かった」と思える共助の関係が、そこに生まれます。

 

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