「謎解き×福祉×防災」のロジックを解き明かす20の質問と回答
【フェーズ1:集客と動機付け(マーケティング・ファンネル)】
Q1. なぜ、あえて「福祉」や「防災」を前面に出さず、「謎解き」を入り口にする必要があるのですか?
A1. 「町づくりや障がい、人との関わりに興味がない人」を振り向かせるためです。福祉や防災の看板では関心層しか集まりませんが、市場規模数百億円の「謎解き」というエンタメをフックにすることで、無関心層(どうでもいい人)を巻き込むことが可能になります。(ハッピーライドでは天の岩戸作戦と呼んでいる)

Q2. 「楽しい」を軸にすることは、社会課題の解決において不謹慎ではありませんか?
A2. いいえ、むしろ逆です。脳科学者の茂木健一郎氏も述べるように、リラックスして楽しんでいる状態こそが「話しやすい・学びやすい状態」だからです。深刻なテーマこそ、楽しさという緩和剤が必要です。
Q3. 参加者が「車イス体験」などの面倒なプロセスを受け入れるのはなぜですか?
A3. 「謎を解いてゴールする」という強力な目的(欲求)があるからです。参加者はゴールから逆算して思考するため、ミッションとして組み込まれた車イス体験やアイマスク体験を、クリアのための必要な手段として自然に受け入れます。

Q4. なぜ「個人の体験」ではなく「チーム戦」にする必要がありますか?
A4. チームにすることで強制的なコミュニケーションが発生し、会話が生まれるからです。また、一人では解けない問題を多様な視点で解決するプロセス自体が、協同的な学び(PBL)となるからです。
Q5. 「謎解き」が他のレクリエーションよりも優れている点は何ですか?
A5. 「没入感」と「時間制限」です。ストーリーに没頭し、制限時間に追われることで、無意識のうちに羞恥心や壁を取り払い、積極的な行動(協力)を引き出すことができる点です。

【フェーズ2:心理的安全性と脳内変化について】
Q6. ゴールすることによって、参加者の脳内で何が起きていると定義していますか?
A6. 達成感によりオキシトシン・セロトニン・ドーパミンといった幸福ホルモンが分泌され、自己肯定感が高まっている状態です。
Q7. 自己肯定感が高まることは、福祉においてどのような意味を持ちますか?
A7. 自己肯定感が高まっている時は、「自己受容」と「他者受容」ができると脳科学的に言われています。つまり、自分を受け入れられるからこそ、障がい者という「他者」を自然に受け入れられる心の土壌ができます。
Q8. 参加者の表情はイベント中にどう変化しますか?
A8. 当初は緊張や戸惑いがあっても、終盤にはリラックスした表情と笑顔が見られるようになります。この変化こそが、心理的な壁が取り払われた証拠です。

Q9. なぜ「口出しをしない」で見守ることが重要なのですか?
A9. 能動的な学びの場を作るためには、好奇心をくすぐりつつも、大人が介入しないことが重要だからです。自分たちで試行錯誤し、合意形成するプロセスが「自分事」としての経験を深めます。
Q10. 「失敗(間違えること)」はこのプログラムにおいてどんな価値がありますか?
A10. チームで話し合い、軌道修正(リトライ)する経験そのものが価値です
これにより、軌道修正する力合意形成力を育み、困難に直面した際の転換力やレジリエンス(回復力)が養われます。
